構われたがり
雷蔵ver


机に向かう僕の背後で、音も無く戸が閉まる。そのまま去っていく気配に小さくため息を吐いた。
きっと、兵助かハチのところにでも遊びに行ったのだろう。
僕の邪魔をしてはいけないと、三郎の考えた結果なのは分かっている。しかし、だ。
(…集中できない。)
いつも傍らにある彼が、今は他の人のところにいる。そう考えてしまえばすでに集中など遠くの彼方だ。
「…僕も三郎のことを言えないなぁ……。」
これでは僕の方が構って欲しいみたいだ。
いつも僕に構ってもらう度に見えない尾を振る三郎を思い出し、僕も今はあんな顔をしているのかと思わず顔に手を触れる。
僕の顔は慣れた自分の顔、そして大切な彼の偽りの顔。手で触れたところで変装している訳でもない僕の顔に変わりがあるわけもなく。僕はまたため息を吐いた。
(はやく、はやく帰っておいで。)
そうじゃないと、寂しくて僕が死んでしまうから!!

あとがき
はい短い!!でもsssのページ置くのもなんか違うので無理やり短編に持ってきたり。
それにしても短い…。

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